1999年「井戸まわり」
まっすぐ土間を通り抜けると、家の裏には井戸があった。
夏は冷たくて冬はあったかい井戸水、ほんのり甘かった。
柄杓に汲んで飲んだ。 夏はたいがい、たらいやバケツの中に夏野菜が浮かんでいる。
スイカ・キュウリ・トマト・・・・・。冷えたスイカに家中でかぶりつく。
丸ごとのキュウリに味噌汁をつけてガブリ、 トマトにはちょっと塩を付けて丸かじり・・・・・・
あの歯ごたえのある青臭さが懐かしい。
この版画ではお婆ちゃんが、桶に里芋を山ほど入れて里芋のひげのある皮をむいているところだ。
交差した2本の板w3おゴロゴロと回転させるだけで。里芋はつるりとなった。
時々、回転の勢いで里芋が飛び出す。
洗濯機のまだなかった頃、母は洗濯板でゴシゴシとやっていた。
鍋や釜の底も、縄に灰を付けてゴシゴシ・・・・ついこの間だったような・・・・・・・遠い昔のような・・・・・・
▲前のページに戻る ▲「木版画」トビラに戻る